問い合わせフォームの項目は何を聞く?必須・任意の決め方と作り方、改善のコツ
公開日 | マツケンスタジオ 責任者
- 問い合わせフォームの入力項目の決め方と、目的別の項目例
- 入力しやすくする工夫と、送信したあとの画面・自動返信メール
- 迷惑な送信への対策、個人情報の扱い、作り方の選び方と改善の進め方
ホームページのご相談は無料です
ホームページのお問い合わせフォームは、一度作ると見直されないまま何年もたっていることが多い場所です。「項目はこれで足りているのか」「多すぎて途中でやめられていないか」「そもそも、きちんと届いているのか」。担当になってから、気になりはじめた方もいるのではないでしょうか。
この記事では、BtoBの中小企業(製造業・建設業・運送業など)のホームページを例に、問い合わせフォームの入力項目の決め方、目的ごとの項目例、入力しやすくする工夫、送信したあとの対応、迷惑な送信や個人情報の扱い、作り方の選び方、改善の進め方までを、ホームページを作る側の目線で順番に整理します。
問い合わせフォームの役割
問い合わせフォームは、ホームページを見た人が「この会社に相談してみよう」と思ったときの入口です。会社案内や実績のページがどれだけ充実していても、最後の入口で手間取ると、相手はそこで連絡をやめてしまいます。
BtoBの会社にとって、フォームには大きく3つの役割があります。
- 相手が好きな時間に連絡できる:電話は営業時間内にしかつながりませんが、フォームなら夜や休日でも送れます。調べものの途中で、思い立ったときに連絡できるのは相手にとって大きな利点です。
- 必要な情報を、最初にそろえてもらえる:用途、数量、希望の納期など、返事に必要なことを最初に書いてもらえれば、何度もやりとりせずに済みます。
- 記録が残る:誰から、いつ、どんな相談が来たかが文字で残るので、社内での共有や、あとから見返すのが楽になります。
反対に、項目が多すぎる、書き方が分からない、送れたのか分からない、といったフォームは、せっかく来た相談を逃してしまいます。問い合わせが少ないと感じている場合は、ホームページから問い合わせが来ない理由もあわせて確かめてみてください。
入力項目の決め方
項目を決めるときの基本は、「最初の返事をするために、本当に必要なものだけを聞く」ことです。聞きたいことは山ほどあっても、くわしいことは返事のやりとりや打ち合わせで聞けます。フォームで全部をそろえようとすると、入力の手間が増えて、送る前にやめる人が増えます。
迷ったときは、項目ごとに次の2つを自分に問いかけてみてください。
- この項目がないと、最初の返事ができないか
- この項目を聞いたあと、社内の誰が、何に使うのか
どちらにも答えられない項目は、必須から外すか、思い切って削ります。「なんとなく昔からある」「念のため聞いておく」という項目が、実はいちばん相手の手を止めています。
必須・任意・聞かないほうがよい項目の目安
BtoBの会社のお問い合わせフォームで、よく使われる項目を3つに分けると、次のようになります。業種や目的によって変わるので、あくまで出発点として使ってください。
| 分け方 | 項目の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 必須にする | 会社名、氏名、メールアドレス、お問い合わせの種類、お問い合わせ内容、個人情報の扱いへの同意 | 返事をするのに欠かせない。種類が分かると、社内の担当にすぐ回せる |
| 任意にする | 電話番号、部署名、希望の納期、数量、ファイルの添付、ふりがな、返事の方法の希望 | あると助かるが、なくても最初の返事はできる。必須にすると入力をためらう人がいる |
| 聞かないほうがよい | 生年月日、性別、自宅の住所、FAX番号(使っていない場合)、予算の金額(必須で)、知ったきっかけ(必須で) | 返事に使わない。個人的な情報は、集めるほど管理の責任も重くなる |
電話番号は、迷う方が多い項目です。急ぎの案件で電話をかけたい場合は必須にしたくなりますが、「まずはメールで聞きたい」という人も少なくありません。任意にしたうえで、「お急ぎの場合はお電話番号をご記入ください」と一言添えるのがおすすめです。
「どこで知りましたか」というアンケートの項目は、集計に役立つものの、問い合わせをする人にとっては関係のない質問です。入れる場合は任意にして、フォームのいちばん最後に置きます。
「お問い合わせの種類」で振り分ける
BtoBの会社には、見積りの依頼、製品や技術の相談、採用、取材、営業の売り込みなど、さまざまな連絡が届きます。最初に「お問い合わせの種類」を選んでもらうと、届いた時点で誰が返事をするかが決まり、返事が早くなります。
- お見積りのご依頼
- 製品・技術についてのご相談
- 採用について
- その他
選択肢は4〜6個ほどにおさめ、当てはまらない人のために「その他」を必ず用意します。選択肢が多すぎると、どれを選べばよいか迷わせてしまいます。
項目を並べる順番
並べ方にも気を配ると、入力がぐっと楽になります。基本は、答えやすいものから、考えて書くものへです。
- お問い合わせの種類(選ぶだけ)
- 会社名・部署名・氏名(すぐに書ける)
- メールアドレス・電話番号(連絡先)
- お問い合わせ内容(考えて書く)
- ファイルの添付(任意)
- 個人情報の扱いへの同意
連絡先を内容より先に置くのは、内容を書いているうちに連絡先の入力を忘れることを防ぐためでもあります。自由に書く欄は、内容によって長さが大きく変わるので、入力欄を広めにとっておくと書きやすくなります。
目的別・業種別の項目例
同じ会社でも、目的によって聞くべきことは変わります。1つのフォームで全部をまかなおうとすると項目が増えるので、見積りと採用のように中身が大きく違うものは、フォームを分けるのも一つの方法です。ここでは、よくある4つの目的について、項目の例を紹介します。
見積りの依頼
製造業や建設業、運送業では、見積りの依頼がいちばん大切な問い合わせになることが多いはずです。見積りに必要な情報は業種によって違うので、自社で見積りを出すときに最低限知りたいことを、営業や現場の担当者と話し合って決めます。
| 業種 | 項目の例(任意を中心に) |
|---|---|
| 製造業(加工・部品) | 材質、おおよその寸法、数量(試作か量産か)、希望の納期、仕上がりの仕様、図面の有無 |
| 建設業 | 工事の種類、現場の所在地(市区町村まで)、おおよその規模、希望の時期、現地調査の希望 |
| 運送業 | 荷物の種類、おおよその量や重さ、発地と着地(市区町村まで)、頻度(スポットか定期か)、希望の開始時期 |
大切なのは、これらを全部必須にしないことです。問い合わせをする側も、まだ数量や時期が決まっていない段階で相談することがよくあります。「分かる範囲でご記入ください」「未定の場合は空欄で構いません」と添えて、任意にしておくと、早い段階の相談も逃しません。
選択肢で答えられるもの(試作か量産か、スポットか定期か、など)は、選ぶ形にすると入力が楽になります。数字や細かい条件は、自由に書く欄で受けて、返事のときに確かめれば十分です。
図面・ファイルの添付
製造業や建設業では、図面や写真を見ないと見積りができないことがあります。フォームにファイルの添付欄をつけると、やりとりが一度で済み、相手にも喜ばれます。つける場合は、次のことをフォームに書いておきます。
- 受け付けるファイルの種類(PDF、画像、CADのデータなど)
- 1つのファイルの大きさの上限と、添付できる数
- 大きすぎる場合や、フォームで送れない場合の送り方(メールで別に送る、など)
- 秘密保持の扱い(社外秘の図面について、どう扱うか)
図面は、取引先にとって大切な情報です。「お送りいただいた図面は、お見積りの目的にのみ使います」のように、使い道をはっきり書いておくと、送る側の安心につながります。秘密保持の契約が必要な場合に、先に連絡をもらえるよう案内しておくのもよいでしょう。
なお、添付できるファイルの種類や大きさの上限は、フォームを作るサービスや仕組みによって決まっています。使っているサービスの仕様を確かめてから、フォームに書く数字を決めてください。
採用の応募
採用の応募をお問い合わせフォームで受けている会社もありますが、応募には応募のための項目があるので、専用のフォームを用意するほうが応募する人にとって分かりやすくなります。項目の例は次のとおりです。
- 必須:氏名、ふりがな、メールアドレス、電話番号、応募する職種
- 任意:年齢、これまでの経験、資格や免許、希望の勤務地、見学の希望、自由記入
現場のある会社では、「いきなり応募するのは不安。まず見学したい」という人も多いものです。応募と見学をフォームの中で選べるようにすると、応募の入口が広がります。履歴書の提出を最初から求めると、気軽に連絡しにくくなるので、まずは面談の日程を決めるところまでを目標にするのがおすすめです。応募が集まる採用ページの書き方は、採用ページで応募が増える書き方で紹介しています。
応募の情報には、経歴や家族のことなど、とくに慎重に扱いたい内容が含まれやすくなります。応募の段階で聞かなくてよいことは聞かず、届いた情報を誰が見るのかも社内で決めておきましょう。
資料請求
会社案内やカタログの資料請求は、相手にとって「まだ検討の初めの段階」の連絡です。項目は少なめにして、気軽に申し込めるようにします。
- PDFをダウンロードしてもらう場合:会社名、氏名、メールアドレス、ほしい資料(選択)
- 紙の資料を郵送する場合:上に加えて、送り先の住所、部署名
資料請求をきっかけに営業の連絡をしたい場合は、その旨をフォームに書いておくのが誠実です。黙って電話をかけると、相手を驚かせてしまうことがあります。
入力しやすくする工夫
項目が決まったら、次は入力のしやすさです。同じ項目でも、見せ方や書き方で、途中でやめる人の数は変わります。
項目を減らす
まずは、今あるフォームの項目を一つずつ見直してみましょう。「姓」と「名」を分けている欄を1つにまとめる、ふりがなを任意にする、住所を聞かずに済むならなくす。こうした小さな見直しの積み重ねで、入力の手間は大きく減ります。
確認画面(送信の前に、入力した内容をもう一度表示する画面)も、なくてよい場合があります。入力の間違いを防ぐ役目はありますが、1回多く画面を移ることになるからです。入力欄のすぐ下に間違いを知らせる仕組みがあれば、確認画面なしでも十分なことが多いでしょう。
何を書けばよいかを例で示す
入力欄の中や近くに、「例:株式会社〇〇」「例:アルミの部品を300個、来月末までに」のような例を書いておくと、相手は迷わずに書けます。とくにお問い合わせ内容の欄は、何から書けばよいか分からずに手が止まりやすい場所です。
ただし、入力欄の中に薄く表示する例(プレースホルダー)は、入力を始めると消えてしまいます。大事な説明は、入力欄の外に書いておくほうが親切です。必須の項目には「必須」と、はっきり分かる印をつけます。
スマートフォンで打ちやすくする
BtoBの問い合わせでも、外回りの合間や現場からスマートフォンで送る人がいます。スマートフォンでは、次のような点に気をつけます。
- 入力欄の種類を合わせる:メールアドレスの欄は「@」のあるキーボード、電話番号の欄は数字のキーボードが出るように設定します(HTMLでは、入力欄の種類を type="email" や type="tel" にします)。
- 入力欄とボタンを大きくする:指で押しやすい大きさにして、横に並べず縦に1列で並べます。
- 自動入力を生かす:ブラウザが名前やメールアドレスを自動で入れられるよう、各欄に正しい設定をしておきます。
- 全角・半角を気にさせない:電話番号を「半角で」と指定するのではなく、受け取る側で整えるようにします。
実際に自社のフォームを、手元のスマートフォンで最後まで入力してみてください。パソコンでは気づかない打ちにくさが、すぐに見つかるはずです。
エラーの出し方
入力に間違いがあったとき、どこが、なぜ間違っているのかが分からないと、相手は困ってしまいます。エラーは次のように出すのが基本です。
- 間違っている入力欄のすぐ近くに表示する
- 「メールアドレスに@が入っていません」のように、直し方が分かる言葉で書く
- 色だけでなく、文字でも知らせる(色の見分けがつきにくい人もいるため)
- エラーが出ても、入力した内容を消さない
送信ボタンを押したあとに、入力した内容がすべて消えてしまうフォームは、もう一度入力してもらえないことがほとんどです。公開前に、わざと間違えて送ってみて、どう表示されるかを確かめておきましょう。
送信ボタンの言葉
送信ボタンには、「送信」だけでなく、押すと何が起きるかが分かる言葉を使うと親切です。「この内容で問い合わせる」「見積りを依頼する」「資料を請求する」などです。ボタンの近くに「通常2営業日以内にご連絡します」と書いておくと、送ったあとのことが想像でき、押す前の迷いが減ります。
送信したあとの画面と自動返信メール
フォームは、送って終わりではありません。送った側は「ちゃんと届いたかな」「いつ返事が来るのかな」と気にしています。送信したあとの対応で、その不安を取りのぞきます。
完了画面に書くこと
送信が終わったら、完了したことがはっきり分かる画面(サンクスページ)を表示します。書いておきたいのは次のことです。
- お問い合わせを受け付けたこと
- 返事までの目安(「2営業日以内」など、自社で守れる日数)
- 確認のメールを送ったこと、届かない場合の連絡先
- 急ぎの場合の電話番号と、受付の時間
完了画面を、送信前のページとは別のアドレスにしておくと、あとで紹介する送信数の計測にも使えます。
自動返信メールの文例
送信と同時に、入力されたメールアドレスへ受付の確認メールを自動で送る設定にしておくと、相手は控えを手元に残せます。メールアドレスの打ち間違いにも、相手が気づけます。文例は次のとおりです。
| 部分 | 文例 |
|---|---|
| 件名 | 【株式会社〇〇】お問い合わせを受け付けました |
| 書き出し | 〇〇様 このたびは株式会社〇〇にお問い合わせいただき、ありがとうございます。以下の内容で受け付けました。 |
| 返事の目安 | 内容を確認のうえ、担当者より2営業日以内にご連絡いたします。土日祝日にいただいたお問い合わせは、翌営業日以降の対応となります。 |
| 入力内容 | お問い合わせの種類、会社名、氏名、お問い合わせ内容など(送られた内容をそのまま載せる) |
| 結び | このメールは送信専用です。お急ぎの場合や、数日たっても連絡がない場合は、お電話(000-000-0000、平日9時〜17時)でお問い合わせください。 |
自動返信メールは、迷惑メールに分けられることがあります。完了画面に「確認メールが届かない場合は、迷惑メールのフォルダもご確認ください」と書いておくと親切です。
返事までの目安を守る
BtoBの問い合わせでは、相手がほかの会社にも同時に問い合わせていることがよくあります。最初の返事が早いほど、相談を任せてもらえる見込みは高くなります。すぐに答えが出せない内容でも、「受け取りました。〇日までに回答します」と一報を入れるだけで、相手の印象は変わります。担当者が休みのときに誰が見るのかも、決めておきましょう。
迷惑な送信への対策
フォームを公開していると、機械的に送られてくる意味のない送信や、営業の売り込みが届くようになります。数が増えると、大切な問い合わせが埋もれてしまうので、対策をしておきます。
reCAPTCHAなどの仕組み
よく使われるのが、Googleの「reCAPTCHA(リキャプチャ)」です。送っているのが人か、機械(ボット)かを見分ける仕組みで、いくつかの種類があります。Googleの公式ドキュメントによると、v3という種類は、利用者に何かを操作させることなく、送信ごとに0.0〜1.0の点数を返します。1.0に近いほど人による操作、0.0に近いほどボットらしいという意味で、最初は0.5を境にして様子を見ることがすすめられています。点数を見て、どう扱うか(受け付けない、別に分けるなど)はサイトの側で決めます。
料金は、Google Cloudの公式ページでは、いちばん基本の「Essentials」という区分で、1か月あたり10,000回の判定まで無料とされています(2026年10月に確認)。中小企業のお問い合わせフォームであれば、この範囲におさまることがほとんどでしょう。仕様や料金は変わることがあるので、導入するときは公式のページで最新の内容を確かめてください。
多くのCMSやフォームのサービスには、reCAPTCHAなどを組み込む機能があります。まずは、使っているサービスにどんな対策の機能があるかを確かめるところから始めましょう。
ほかにできること
- 人には見えない入力欄を置き、そこに入力があったら機械とみなす
- 同じところから短い時間に何度も送られたら受け付けない
- フォームに「営業のご連絡はご遠慮ください」と書く(効き目は限られますが、方針を示せます)
対策を強くしすぎると、本物の問い合わせまではじいてしまうことがあります。対策を入れたあとは、自分で何度か送ってみて、きちんと届くかを確かめてください。
個人情報の扱い
問い合わせフォームでは、会社名だけでなく、担当者の名前やメールアドレス、電話番号を受け取ります。これらは個人情報にあたるので、扱い方を決めて、相手に示しておく必要があります。
利用目的をはっきり示す
個人情報保護法では、フォームのように本人から直接、書面や入力画面で個人情報を受け取るときは、あらかじめ利用目的をはっきり示すことが求められています(第21条第2項)。個人情報保護委員会のガイドラインでは、自社のホームページ上で利用目的を示す方法が例に挙げられています。あわせて、本人が送信ボタンを押す前に、利用目的(利用目的が書かれた画面に1回ほどの操作で移れるリンクやボタンを含む)が目に留まるよう、置き場所に気を配ることが望ましいとされています。
実際のフォームでは、次のようにしておくのが一般的です。
- 送信ボタンの近くに、プライバシーポリシー(個人情報の扱いを書いたページ)へのリンクを置く
- 「お預かりした個人情報は、お問い合わせへの回答とご連絡のために使います」のように、フォームの中でも短く書く
- 「個人情報の取り扱いに同意する」のチェック欄を置く
プライバシーポリシーのページがない場合や、内容が古いままの場合は、この機会に用意しましょう。どこまで書けばよいか迷う場合は、個人情報保護委員会の公式ページや、専門家に相談するのが確実です。
通信を暗号化しておく
フォームのあるページのアドレスが「https」で始まっているかも確かめましょう。httpsは、入力した内容がインターネット上でのぞき見されないよう、通信を暗号化する仕組みです。ブラウザによっては、暗号化されていないページで入力しようとすると「保護されていない通信」と警告が出て、相手が送信をためらう原因になります。古いホームページでは、トップページは暗号化されていても、フォームのページだけ外部の古い仕組みを使っていることがあるので、実際にフォームのページを開いて確かめてください。
回答をサービスにため続けない
フォームのサービスやCMSの多くは、届いた回答を管理画面に保存しておく機能を持っています。便利な反面、何年分もの回答をため続けていると、万一のときに影響が大きくなります。
2026年10月には、ノーコードでホームページを作れるサービス「Studio」で不正アクセスがあり、フォームに送信された内容も流出した可能性があると発表されました。この件では、回答をStudioに保存しない設定にしていた間の回答や、それより前に完全に削除していた回答は、対象に含まれないと説明されています。くわしくは、Studioの不正アクセス・個人情報流出|利用企業が今すぐやることでまとめています。
どのサービスを使っていても、次のことを決めておくと安心です。
- 回答を、サービスの中にいつまで残すか
- メールで受け取って社内で管理しているなら、サービス側に残す必要があるか
- 管理画面に入れる人を誰にするか、パスワードを使い回していないか
問い合わせフォームの作り方の選択肢
お問い合わせフォームの作り方は、大きく分けて3つあります。それぞれに向き不向きがあるので、自社の使い方に合わせて選びます。
| 作り方 | よいところ | 気をつけたいところ |
|---|---|---|
| CMSの機能を使う(WordPressのプラグイン、ノーコードのサービスのフォーム機能など) | ホームページと見た目をそろえやすい。追加の費用がかからないことが多い | プラグインの更新や、サービス側の仕様に左右される。回答の保存先を確かめておく |
| 外部のフォームサービスを埋め込む(Googleフォームなど) | 手早く作れる。回答の集計や共有がしやすい | 見た目をホームページに合わせにくいことがある。無料の範囲と、回答の置き場所を確かめる |
| 作り込む(自社のサーバーに専用の仕組みを作る) | 項目や動き、社内の仕組みとのつなぎ方を自由に決められる | 作る費用と、公開後の手入れ(セキュリティの更新など)が必要になる |
ページの数が少ない、更新もあまりしない会社では、ホームページ自体を静的サイトで作り、フォームだけ外部のサービスを使う、という組み合わせもよくあります。特定の商品やサービスの問い合わせを集めるための1ページ(LP)を作るときも、フォームの作りは成果に直結します。考え方はLP(ランディングページ)とは?で紹介しています。
作り方を選ぶときに確かめること
どの作り方にするか迷ったときは、次のことを制作会社や社内の担当者と確かめておくと、あとで困りません。
- 回答がどこに届き、どこに保存されるか:メールだけか、サービスの管理画面にも残るか。残る場合は、いつまで残すかを決められるか
- 通知を受け取る人を、あとから自社で変えられるか:担当が替わるたびに、制作会社へ頼まなければならない作りは不便です
- 自動返信メールの文面を、自社で直せるか:受付の時間や電話番号が変わったときに、すぐ直せると安心です
- ファイルの添付ができるか、その上限はどれくらいか:図面を受け取りたい会社にとっては大事な点です
- 迷惑な送信への対策の機能があるか:reCAPTCHAなどを組み込めるかを確かめます
- 費用がかかるか:無料の範囲で足りるか、回答の数や機能によって費用が増えないかを確かめます
どの作り方でも、フォームから届くメールの送り先が、退職した人や制作会社のアドレスのままになっていないかは、必ず確かめておきましょう。
よくある失敗と直し方
ここまでの内容をふまえて、ホームページを作る側から見て、よく見かけるフォームの失敗と直し方を表にまとめます。自社のフォームと見比べてみてください。
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| ほとんどの項目が必須になっている | 入力の途中でやめる人が増える | 最初の返事に要るものだけ必須にし、ほかは任意にする |
| お問い合わせ内容の欄に、何を書けばよいか説明がない | 手が止まる。内容が短すぎて、返事のために聞き直すことになる | 欄の外に、書いてほしいことの例を書く |
| エラーが出ると、入力した内容が消える | もう一度入力してもらえない | 入力内容を残したまま、間違いの場所と直し方を示す |
| 送信後、画面が変わらない、または何も書かれていない | 届いたか分からず、二重に送られたり、電話がかかってきたりする | 完了画面と自動返信メールで、受付と返事の目安を伝える |
| 通知の送り先が、退職した人のアドレスのまま | 問い合わせが誰にも読まれない | 送り先を部署や共有のアドレスにし、定期的に確かめる |
| プライバシーポリシーへのリンクがない | 送る側が、情報の扱いに不安を感じる | 送信ボタンの近くにリンクと、利用目的の短い説明を置く |
| フォームのページが、どこにあるか分かりにくい | 相談したい人がフォームにたどり着けない | 各ページの上と下に、問い合わせへの入口を置く |
どれも、大がかりな作り直しをしなくても直せることばかりです。気になるところから一つずつ手を入れていけば、フォームは確実に使いやすくなります。作り直しを考える前に、まずは今のフォームで直せるところがないかを見てみましょう。
届いているかを定期的に確かめる
フォームでいちばん怖いのは、問い合わせが届いていないのに、誰も気づかないことです。メールの送り先の設定が変わった、サーバーの設定が変わって送信が止まった、迷惑メールに分けられていた、といったことは珍しくありません。
月に1回など日を決めて、次のことを確かめる習慣をつけましょう。
- パソコンとスマートフォンの両方から、実際にフォームで送ってみる
- 社内の受け取り先に、通知のメールが届くかを見る
- 自動返信メールが、送った側に届くかを見る
- 迷惑メールのフォルダに入っていないかを見る
- ファイルの添付欄があれば、添付して送れるかを見る
ホームページの手直しをしたあとや、メールやサーバーの契約を変えたあとは、日を待たずにすぐ確かめます。テストで送るときは、件名や本文に「テスト」と書いておくと、社内で本物の問い合わせと見分けやすくなります。
電話・メール・LINEなど、ほかの入口との併用
フォームがあれば十分、というわけではありません。相手によって、連絡しやすい方法は違います。
- 電話:急ぎの相談や、文章にしにくい相談に向いています。スマートフォンで見たときに、番号を押すとそのまま電話がかかるようにしておき、受付の時間も書いておきます。
- メールアドレス:大きなファイルを送りたい人や、社内の決まりでフォームを使いにくい人のために、メールアドレスを載せておくのも一つの方法です。ただし、ページにそのまま載せると迷惑メールが増えることがあります。
- LINEなどのチャット:個人のお客様が多い業種では使われますが、BtoBでは使っていない会社も多いので、自社の取引先が実際に使うかを考えて選びます。
入口を増やすほど、受け取ったあとの管理も増えます。どの入口から来た相談を、誰が、どこに記録するのかを決めてから増やしましょう。Googleマップのビジネスプロフィールから電話やWebサイトに来る人もいるので、載せている電話番号や受付時間が、ホームページと食い違っていないかも確かめておきます。
改善の進め方:送信数を数える
フォームを見直したら、その結果を数字で確かめます。勘で直し続けるより、数えながら少しずつ直すほうが、確実によくなります。
何を数えるか
- 送信された数:月ごとの問い合わせの数。種類ごと(見積り、採用など)にも分けて見ます。
- フォームのページを見た数:フォームまで来た人の数です。
- 送信された割合:フォームのページを見た人のうち、送信まで進んだ人の割合です。ここが低いと、フォームの中に手を止めさせる原因があると考えられます。
Googleアナリティクスで数える
Googleアナリティクス(GA4)には、設定を有効にするだけでいくつかの行動を自動で記録する「拡張計測機能」があります。Googleの公式ヘルプによると、その中のフォームの操作では、セッションの中で初めてフォームを操作したとき(form_start)と、フォームを送信したとき(form_submit)が記録されます。ただし、フォームの作り方によってはうまく記録されないこともあるため、先に紹介した完了画面のアドレスが表示された回数を数える方法とあわせて使うと確実です。
大切な行動は「キーイベント」に設定しておくと、レポートで回数を追いやすくなります。そもそもフォームのページまで人が来ていない場合は、検索からの入口を見直す必要があります。どんな言葉で検索されて自社のページが表示されているかは、サーチコンソールの使い方で確かめられます。
直し方の順番
- 今の送信数と、送信された割合を記録する
- 直すところを1つか2つに絞る(必須の項目を減らす、送信ボタンの言葉を変える、など)
- 1〜2か月ほど様子を見て、数字を比べる
- よくなったら残し、変わらなければ別のところを直す
一度にたくさん変えると、どれが効いたのかが分からなくなります。また、問い合わせの数は季節や景気でも動くので、数字だけで決めつけず、届いた問い合わせの中身(必要な情報がそろっているか、返事がしやすくなったか)もあわせて見るようにしましょう。
届いた問い合わせから学ぶ
よく聞かれる質問は、ホームページのほかのページで先に答えておくと、問い合わせのやりとりが短くなります。反対に、「最小の数量は?」「対応できる地域は?」といった質問が多ければ、フォームの近くにその答えを書いておくと、相手は安心して送れます。フォームの改善は、ホームページ全体の改善にもつながります。
まとめ
問い合わせフォームの項目は、「最初の返事に本当に必要なものだけを必須にする」ことが基本です。会社名、氏名、メールアドレス、お問い合わせの種類と内容を中心にして、電話番号や数量、納期、図面などは任意にし、「分かる範囲で」と添えておくと、早い段階の相談も逃しません。見積り、採用、資料請求のように目的が大きく違うものは、フォームを分けるのも一つの方法です。
あわせて、入力の例を書く、スマートフォンで打ちやすくする、分かりやすいエラーを出す、送信後に完了画面と自動返信メールで返事の目安を伝える、といった工夫で、送る人の手間と不安を減らせます。迷惑な送信への対策、個人情報の利用目的の明示、回答をため続けない運用も忘れずに。そして何より、フォームが本当に届いているかを定期的に確かめ、送信数を数えながら少しずつ直していきましょう。
マツケンスタジオでは、最初のご相談から公開後まで同じ担当が対応し、フォームを含めた公開後の更新・改善も続けてお手伝いできます。
出典(いずれも公式ページ。2026年10月に確認)
よくある質問
決まった数はありませんが、最初の返事に必要なものだけを必須にするのが基本です。BtoBの会社なら、会社名、氏名、メールアドレス、お問い合わせの種類、お問い合わせ内容、個人情報の扱いへの同意を必須にし、電話番号や数量、納期などは任意にすると、入力の手間を抑えながら必要な情報を受け取れます。
電話で連絡したい場面は多いものの、まずはメールでやりとりしたい人もいます。任意にしたうえで、お急ぎの場合はお電話番号をご記入くださいと添えておくのがおすすめです。どうしても必須にする場合は、何のために使うのかをフォームに書いておくと、入力してもらいやすくなります。
まだ数量や時期が決まっていない段階で相談する人も多いため、必須にすると早い段階の相談を逃すことがあります。分かる範囲でご記入くださいと添えて任意にし、足りない情報は返事のやりとりで確かめるほうが、問い合わせの数を減らさずに済みます。
必要です。送った側は、届いたかどうかを気にしています。受付の確認と入力内容、返事までの目安、急ぎの場合の連絡先を書いた自動返信メールがあれば、相手は安心でき、メールアドレスの打ち間違いにも気づけます。迷惑メールに分けられることもあるので、完了画面でもその旨を案内しておきましょう。
Google Cloudの公式ページでは、基本の区分であるEssentialsで、1か月あたり10,000回の判定まで無料とされています(2026年10月に確認)。中小企業のお問い合わせフォームならこの範囲におさまることが多いですが、仕様や料金は変わることがあるので、導入するときに公式のページで確かめてください。
一律の期間は決まっていないので、自社で使う目的に合わせて決めます。大切なのは、必要な期間を過ぎた回答をフォームのサービスやCMSの中に残し続けないことです。メールで受け取って社内で管理しているなら、サービス側に残す必要があるかを考え、不要なら定期的に完全に削除する運用にしておくと、万一のときの影響を小さくできます。
「何から始めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。町工場発のマツケンスタジオが、ドメインの取得から公開後の更新まで、まるごとお手伝いします。いまは毎月3社まで、特別な価格で制作する「事例づくりモニター」も受け付けています。