ホームページは必要か?「なくても困らない」会社が見落としやすいことと判断の目安
公開日 | マツケンスタジオ 責任者
- 「なくても困らない」と言われる理由と、その裏で起きていること
- SNS・Googleマップ・求人サイトだけの場合の限界と、組み合わせ方
- ホームページが必要かを決める問いと、最小限から始める方法・最初に載せたいもの
ホームページのご相談は無料です
「うちは紹介と付き合いで仕事が回っているから、ホームページはいらない」。現場のある会社の社長から、よく聞く言葉です。実際に、ホームページがなくても長く続いている会社はたくさんあります。一方で、「若い人の応募が来ない」「新しい取引先から、会社の情報を出してほしいと言われた」といったことがきっかけで、ホームページを考え始める会社も少なくありません。
この記事では、ホームページは必要かどうかを、作る側の目線で整理します。「なくても困らない」と言われる理由と、その裏で起きていること、ホームページがあるとできること、SNSやGoogleマップ、求人サイトだけの場合の限界をまとめました。あわせて、正直に「いらない」「後回しでよい」と言える場合と、必要かどうかを決めるためのチェックリスト、最小限から始める方法も紹介します。
「ホームページはなくても困らない」と言われる理由
まず、ホームページがなくても困らないと言われる理由を、そのまま受け止めておきます。これには、ちゃんとした根拠があります。
- 仕事が紹介と付き合いで回っている:長い付き合いの取引先や、知り合いからの紹介で、仕事の量が足りている。
- お客様がすでに会社を知っている:取引先は会社の場所も、社長の顔も、仕事ぶりも知っている。改めて調べる必要がない。
- 作っても問い合わせが来なかった:昔作ったホームページから、ほとんど連絡がなかった。
- 費用と手間がかかる:作るお金に加えて、更新する人も時間もない。
どれも、もっともな理由です。今のお客様との仕事だけを考えるなら、ホームページがなくても困らない会社は、たしかにあります。ただ、「困っていない」ことと「何も起きていない」ことは、同じではありません。困りごとが表に出にくいだけで、見えないところで機会を逃していることがあります。
その裏で起きていること
ホームページがない会社でも、外からは毎日のように「調べられて」います。代表的な場面を4つ挙げます。
取引の前に、会社名で検索される
紹介で話が来た場合でも、相手の担当者は、打ち合わせの前に会社名で検索することがよくあります。どんな会社か、どこにあるのか、どんな仕事をしているのかを確かめるためです。大きな会社ほど、新しい取引先を社内に説明する必要があるため、確かめられる情報を探します。
このとき、何も出てこなかったり、何年も前の情報しか出てこなかったりすると、相手は判断の材料を持てません。紹介者の言葉だけを頼りに進めるか、「ほかの会社も当たってみよう」と考えるかは、相手次第になります。
応募の前に、会社名で検索される
求人サイトやハローワークで求人を見た人も、応募する前に会社名で検索します。どんな雰囲気の会社か、どんな人が働いているか、本当にある会社なのかを確かめるためです。求人の文章だけでは分からないことを、ホームページで補おうとします。ここで情報が見つからないと、応募をためらう人が出てきます。
Googleマップで、会社が表示される
会社名や「地域名+業種」で検索すると、Googleマップに会社の情報が表示されることがあります。会社が自分で登録していなくても、地図の上に会社が出ていることは珍しくありません。そこにウェブサイトの欄があり、何も入っていないと、詳しく知りたい人の行き先がなくなります。
金融機関や新しい取引先が、会社を確かめる
銀行や信用金庫との取引、新しい取引先との口座開設などの場面で、相手が会社のことを調べることがあります。会社の概要や事業の内容が、きちんと整理されて外から見られる状態になっていると、説明の手間が減ります。
こうした確認は、会社の知らないところで行われます。ホームページがないために話が進まなかったとしても、その理由を教えてもらえることは、まずありません。「困っていない」と感じやすいのは、このためです。
ホームページがあるとできること
では、ホームページがあると、何ができるのでしょうか。中小企業、とくにBtoBの会社にとって大きいのは、次の4つです。
1. 信用の確認先になる
会社名で検索したときに、会社の概要、事業の内容、所在地、代表者、これまでの仕事が分かるページがあると、相手は「ちゃんとした会社だ」と確かめられます。ホームページは、会社が自分で書いて、自分で直せる、ほぼ唯一の公式な紹介の場所です。名刺や会社案内のパンフレットと違い、相手が知りたいときに、いつでも見てもらえます。
2. 問い合わせの入口になる
電話番号やお問い合わせフォームがあれば、営業時間の外でも、相手は連絡をしてきます。紹介者を通さずに直接相談したい人や、図面や資料を送って見積りを頼みたい人にとっても、入口があることは大切です。対応できる仕事や地域が書いてあれば、合わない相談が減ることもあります。
3. 採用の判断材料になる
働く人の様子、仕事の流れ、職場の写真、会社の考え方などは、求人サイトの決まった枠では伝えきれません。ホームページに採用のページがあると、応募を考えている人が、安心して応募するための材料になります。くわしくは求人を出しても応募が来ない中小企業へでまとめています。
4. 検索やAIに、正しく紹介してもらいやすくなる
最近は、Googleの検索結果にAIによる要約が表示されたり、ChatGPTなどのAIに会社のことを聞いたりする人も増えています。AIや検索エンジンは、ウェブ上にある情報をもとに答えを作ります。会社が自分で書いた正しい情報がないと、古い情報や、ほかの会社の情報と混ざって紹介されるおそれがあります。会社の公式な情報をホームページに置いておくことは、その備えにもなります。考え方はChatGPTに自社を紹介してもらうには?で紹介しています。
SNSだけ・Googleマップだけ・求人サイトだけの限界
「ホームページの代わりに、SNSやGoogleマップ、求人サイトがあれば十分では?」という声もあります。どれも無料か少ない費用で始められ、うまく使えば役に立ちます。ただ、それぞれ得意なことと苦手なことがあります。表にまとめます。
| 手段 | 得意なこと | 苦手なこと・限界 |
|---|---|---|
| SNS(Instagram、Xなど) | 日々の現場の様子や、新しい話題を手軽に出せる。写真で雰囲気が伝わる | 投稿が流れていき、会社の概要や事業の全体が整理されにくい。見られる人がサービスの利用者に偏る。運営会社の判断でアカウントが使えなくなることがある |
| Googleマップ(ビジネスプロフィール) | 地域や業種で探している人に見つけてもらえる。場所、電話番号、営業時間がすぐ分かる | 書ける内容に決まりがあり、事業の説明や実績を十分に載せにくい。ウェブサイトの欄にSNSのページを指定することは、Googleのガイドラインで認められていない |
| 求人サイト・ハローワーク | 仕事を探している人に、求人を届けられる | 決まった項目の中でしか書けない。掲載が終わると情報が見られなくなることがある。会社そのものの信用の確認先にはなりにくい |
| ホームページ | 会社の概要、事業、実績、採用、問い合わせ先を、自社の言葉で整理して、ずっと置いておける | 作る費用がかかる。置いておくだけでは見つけてもらいにくく、ほかの手段との組み合わせが必要 |
大事なのは、どれか1つを選ぶことではなく、役割を分けて組み合わせることです。たとえば、次のような形です。
- Googleマップで地域の人に見つけてもらい、ウェブサイトの欄からホームページへ案内する
- SNSで現場の様子をこまめに出し、プロフィールにホームページのURLを載せる
- 求人サイトで求人を届け、求人の文章からホームページの採用ページへつなぐ
- ホームページには、会社の公式な情報と、問い合わせ・応募の入口をまとめておく
このように、ほかの手段は「見つけてもらう入口」、ホームページは「確かめて、連絡してもらう場所」と考えると、役割の違いが分かりやすくなります。Googleマップの整え方はGoogleマップで選ばれる会社の共通点で紹介しています。
ホームページがいらない・後回しでよい場合
作る側の立場でも、すべての会社に「今すぐ必要」とは言いません。次のような場合は、ホームページがなくても大きく困らないか、後回しにしてもよいことがあります。
- 取引先が決まっていて、増やす予定がない:決まった数社とだけ長く取引をしていて、新しい取引先を探すつもりがない。
- 人を採る予定がない:今の人数で十分に回っていて、当面は採用をしない。
- 会社の情報を確かめられる場面がほとんどない:取引先や金融機関とのやり取りで、会社の情報を外から確かめられることがない。
- 近いうちに事業をたたむ、または大きく変える予定がある:作っても、すぐに内容が合わなくなる。
- ほかに先にやるべきことがある:人手や資金を、まず別のことに回す必要がある。この場合は、Googleマップの情報を正しく整えることから始めるだけでも違います。
反対に、「新しい取引先を増やしたい」「人を採りたい」「会社を継ぐ準備をしたい」「大きな会社と取引を始めたい」といった予定があるなら、ホームページを考えるよい時期です。
ホームページが必要かを決める問い
迷ったときは、次の問いに答えてみてください。当てはまるものが多いほど、ホームページを持つ意味が大きくなります。
- この1〜2年で、新しい取引先やお客様を増やしたいか
- この1〜2年で、人を採用する予定があるか
- 会社名で検索したとき、自社の正しい情報が出てくるか(出てこない、古いなら要注意)
- 取引先や金融機関から、会社の資料や情報を求められることがあるか
- 紹介者を通さずに、直接問い合わせを受けたいか
- 今のホームページ(ある場合)は、事業の内容や連絡先が今と合っているか
- 求人の応募者や新しい取引先から、「会社のことがよく分からない」と言われたことがあるか
- 同じ地域や同じ業種の会社と比べられる場面があるか
1つでもはっきり当てはまるなら、少なくとも「会社名で検索されたときに見せるページ」は用意しておくとよいでしょう。今のホームページが古いまま放置されている場合も、何もない状態と同じくらい、相手に不安を与えることがあります。
最小限から始める方法
ホームページを作るというと、何十ページもある大きなサイトを思い浮かべるかもしれません。でも、最初から全部をそろえる必要はありません。目的に合わせて、小さく始められます。
1ページから始める
会社の概要、事業の内容、連絡先を1ページにまとめる方法です。会社名で検索されたときの確認先としては、これだけでも役に立ちます。1つのことを伝えるための1ページのサイトは、LP(ランディングページ)と呼ばれることもあります。違いはLP(ランディングページ)とは?で紹介しています。
数ページで始める
トップページ、会社概要、事業・サービス、採用、お問い合わせの5ページほどで始める方法です。取引先にも、応募を考えている人にも、必要な情報をひととおり見てもらえます。あとから実績や設備のページを足していくこともできます。ページ数の考え方はホームページは何ページ必要?でまとめています。
自分で作るか、頼むか
ホームページは、作成サービスを使って自社で作ることもできます。費用は抑えられますが、作る時間と、更新を続ける人が必要です。くわしくはホームページを自分で作るには?で紹介しています。
費用と手間の考え方
費用は、ページ数、原稿や写真を誰が用意するか、お問い合わせフォームなどの機能で変わります。相場は依頼先によって大きく違うため、いくつかの見積りを見比べるのが確実です。参考までに、マツケンスタジオの場合は、1ページ(LP)で15万円〜、2〜5ページで30万円〜、6〜20ページで60万円〜、21ページ以上はお見積りです。期間は、LPで数週間〜1か月ほど、会社のホームページで1〜3か月ほどが目安です。費用が何で決まるかはホームページ制作の費用は何で決まる?で紹介しています。
手間の面では、作るときよりも、公開した後のほうが気になる方が多いです。考えておきたいのは、次の3つです。
- 誰が更新するか:連絡先や採用情報が変わったとき、誰が直すかを決めておく。社内で難しければ、制作会社に任せる方法もあります。マツケンスタジオでは、月額サポートで代わりに更新できます。
- 誰の名義で持つか:ドメイン(ホームページの住所)とサーバー(置き場所)を、会社の名義で持っておく。マツケンスタジオでは、ドメインとサーバーはお客様の名義のままで進めます。
- どこまで手をかけるか:毎月ブログを書くのか、年に数回情報を直すだけにするのか。最初から無理のない範囲を決めておくと、放置されにくくなります。
更新の頻度が少なくても、会社の情報が正しく、今と合っていれば、確認先としての役目は果たせます。「更新できないから作らない」と考えるより、「年に数回、正しく直せる形で作る」と考えるほうが、現実的です。
作るなら最初に載せたいもの
最初に載せたいのは、相手が「確かめたいこと」に答える情報です。小さく始める場合も、次の項目はそろえておきましょう。
| 載せるもの | 相手が確かめたいこと |
|---|---|
| 会社概要(社名、所在地、代表者、設立、従業員数など) | 実在する、ちゃんとした会社か |
| 事業・サービスの内容 | 自分たちの頼みたい仕事に対応できるか |
| 対応できる範囲(地域、数量、素材、納期の目安など) | 相談してよい相手か |
| これまでの仕事や実績(出せる範囲で) | 任せて大丈夫か |
| 現場や働く人の写真 | どんな雰囲気の会社か |
| 採用情報(採用する場合) | どんな仕事で、どんな条件か |
| 連絡先とお問い合わせフォーム | どうやって相談すればよいか |
実績は、取引先の名前を出せない場合も多いと思います。その場合は、「どんな業種の、どんな仕事か」を名前を伏せて書くだけでも、相手の判断材料になります。写真は、きれいに撮ろうとするより、実際の現場や設備、働く人が分かるものが伝わります。
また、ホームページを公開したら、Googleマップのウェブサイトの欄や、SNSのプロフィール、求人の文章、名刺やメールの署名にもURLを載せておきましょう。せっかく作ったホームページも、つながっていなければ見てもらえません。マツケンスタジオでは、Googleマップの登録や整備からお手伝いできます。
まとめ
紹介や付き合いで仕事が回っている会社にとって、ホームページは「なくても困らない」ものに見えます。ただ、その裏では、取引の前や応募の前に会社名で検索されたり、Googleマップや金融機関、新しい取引先が会社を確かめたりしています。その場面で正しい情報が見つからないと、知らないうちに機会を逃していることがあります。
ホームページは、信用の確認先、問い合わせの入口、採用の判断材料になり、検索やAIに正しく紹介してもらうための土台にもなります。SNSやGoogleマップ、求人サイトは「見つけてもらう入口」として組み合わせ、ホームページを「確かめて、連絡してもらう場所」にすると、それぞれの強みが生きます。
一方で、取引先や採用を増やす予定がない会社なら、急いで作る必要はありません。チェックリストで自社の状況を確かめ、必要なら1ページや数ページから、無理なく始めてみてください。
よくある質問
今のお客様との仕事だけなら、なくても困らないことはあります。ただ、紹介で話が来た相手も、打ち合わせの前に会社名で検索することがよくあります。新しい取引先を増やしたい、人を採りたいという予定があるなら、確認先になるページを用意しておくと安心です。
現場の様子を伝えるには役に立ちますが、投稿が流れていくため、会社の概要や事業の全体を整理して見せるのは苦手です。また、Googleマップのウェブサイトの欄には、SNSのページを指定できません。SNSは入口、ホームページは確かめてもらう場所として組み合わせるのがおすすめです。
Googleマップは、地域や業種で探している人に見つけてもらうのが得意です。一方で、事業の説明や実績、採用の情報までは載せにくいです。Googleマップで見つけてもらい、ウェブサイトの欄からホームページへ案内する形にすると、詳しく知りたい人の行き先ができます。
連絡先や事業の内容が今と違っていると、かえって相手を迷わせたり、不安にさせたりすることがあります。まずは会社概要と連絡先が正しいかを確かめ、合っていなければ直すか、最小限のページに作り直すことを考えましょう。
会社名で検索されたときの確認先としてなら、会社の概要、事業の内容、連絡先をまとめた1ページからでも始められます。取引先と応募者の両方に見てもらいたいなら、トップ、会社概要、事業、採用、お問い合わせの5ページほどが目安です。
毎月更新しなくても、会社の情報が正しく今と合っていれば、確認先としての役目は果たせます。誰が更新するかを先に決めておき、社内で難しければ制作会社に任せる方法もあります。マツケンスタジオでは、月額サポートで代わりに更新できます。
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