採用サイトの費用はいくら?採用ページとの違いと、中小企業の予算の考え方
公開日 | マツケンスタジオ 責任者
- 採用サイトと採用ページの違いと、自社に向いている作り方
- 費用が決まる要素と、作り方ごとの費用の考え方・毎月かかる費用
- 費用を抑えるコツ、見積りで確かめること、公開後に応募へつなげる運用
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「応募を増やしたいので、採用サイトを作りたい。でも、いくらかかるのか見当がつかない」。製造業、建設業、運送業など、現場のある会社からよく聞く相談です。調べてみると、数万円で作れるサービスもあれば、数百万円かかるという話もあり、どれを信じればいいのか迷ってしまいます。
金額に大きな幅があるのは、同じ「採用サイト」でも、中身と作業の量がまったく違うからです。この記事では、採用サイトと採用ページの違いから、費用が決まる要素、作り方ごとの費用の考え方、毎月かかる費用、見積りで確かめることまで、制作する側の目線でまとめます。
採用サイトと採用ページの違い
最初に、言葉をそろえておきます。この記事では、次のように分けて考えます。
| 採用ページ | 採用サイト | |
|---|---|---|
| どこにあるか | 会社のホームページの中の1ページ、または数ページ | 会社のホームページとは別に、採用のためだけに作るサイト |
| 主な中身 | 仕事内容、一日の流れ、先輩の声、募集要項、応募の方法 | 上の中身に加えて、職種ごとのページ、社員インタビュー、数字で見る会社、社長メッセージ、よくある質問など |
| ページ数の目安 | 1〜数ページ | 数ページ〜十数ページ以上 |
| 費用 | 小さく始めやすい | ページ数と取材の量に応じて大きくなる |
| 管理の手間 | 会社のホームページと一緒に管理できる | 別のサイトとして、更新や管理が必要になることがある |
採用ページは、会社のことと採用のことを行き来しやすいのが良いところです。求職者は、採用の情報だけでなく「どんな仕事をしている会社か」「取引先はどこか」も確かめます。会社のホームページの中にあれば、その両方を一度に見てもらえます。
採用サイトは、伝えたいことが多い会社に向いています。職種がいくつもある、新卒と中途の両方を採る、社員の声をたくさん載せたい、といった場合は、1ページに詰め込むと読みにくくなります。採用のためにページを分けて、求職者が知りたいことを順番に読めるようにするのが採用サイトです。
自社にはどちらが向いているか
どちらを選ぶかは、「今、何人くらい、どんな人を採りたいか」と「伝えたいことの量」で決まります。迷ったときは、次のように考えると整理しやすくなります。
採用ページから始めるのが向いている会社
- 募集している職種が1〜2つで、毎年の採用は数人ほど
- 会社のホームページがすでにあり、そこに採用の情報が少ない、または古い
- まずは求人票に書ききれない「働く様子」を見せたい
- 予算をかけすぎず、反応を見ながら足していきたい
採用サイトを別に作るのが向いている会社
- 職種が多く、職種ごとに仕事内容や向いている人が大きく違う
- 新卒と中途、正社員とパートなど、読む人が何通りもいる
- 毎年まとまった人数を採用していて、説明会や学校への案内にも使いたい
- 会社のホームページは取引先向けの雰囲気のまま残し、採用は別の見せ方をしたい
現場のある中小企業では、まず会社のホームページの中に採用ページをしっかり作り、職種や伝えたいことが増えてきたら、ページを足して採用サイトのような形に育てていく進め方が現実的です。最初から大きな採用サイトを作っても、載せる材料がそろっていなければ、中身の薄いページが並ぶだけになってしまいます。
採用ページにどんな内容を載せるかは、採用ページで応募が増える書き方でくわしく紹介しています。
費用の幅は、どのくらいあるか
採用サイトや採用ページの費用について、制作会社や比較サイトの解説記事では、おおむね次のような幅で紹介されていることが多く見られます。
| 作り方・規模 | よく紹介されている費用の幅 |
|---|---|
| 作成サービスやテンプレートで作る簡単なページ | 無料〜十数万円ほど。月額の利用料がかかるものが多い |
| 1ページで完結する採用ページ(採用LP) | 十数万円〜50万円ほど |
| 数ページ〜十数ページの採用サイト | 50万円〜150万円ほど |
| 取材・撮影・動画・会社の打ち出し方の設計まで含めた採用サイト | 150万円以上 |
ただし、これはあくまで「よく見られる幅」です。同じページ数でも、取材や撮影をどこまで頼むか、文章を誰が書くかで、金額は大きく変わります。表の金額だけで判断せず、「その金額で、何を、どこまでやってもらえるのか」を見ることが大切です。
また、安い見積りには、取材や撮影が入っておらず、原稿と写真は会社で用意する前提になっていることがよくあります。高い見積りには、取材、撮影、文章づくり、公開後の改善の相談までが含まれていることがあります。金額の差の多くは、こうした「誰が、どの作業をするか」の差です。見積りを比べるときは、まず作業の範囲をそろえてから金額を見るようにしましょう。
採用サイトも、ホームページの一つです。ホームページ全体の費用の決まり方は、ホームページ制作の費用は何で決まる?でまとめています。
費用が決まる8つの要素
採用サイトの費用のほとんどは、人が手を動かす時間です。どの作業がどのくらいあるかで、見積りの金額が決まります。主な要素は次の8つです。
1. ページ数
費用に一番大きく関わるのがページ数です。ページが増えるほど、構成を考える、文章を書く、写真を選ぶ、見た目を整える、スマホで確かめる、という作業がそれぞれ増えます。「トップ」「仕事内容」「先輩の声」「数字で見る会社」「募集要項」「よくある質問」「応募フォーム」と並べるだけでも、7ページほどになります。職種ごとにページを分けると、さらに増えます。
ページ数は、載せたい内容から逆算して決めます。「採用サイトなら10ページは必要」といった決まりはありません。
2. 取材・社員インタビュー
採用サイトで求職者がよく読むのが、先輩社員の声です。社員に話を聞いて記事にするには、質問を考える、話を聞く、文章にまとめる、本人と会社に確認してもらう、という作業がかかります。何人に話を聞くか、1人あたりどのくらいの長さにするかで、費用が変わります。
取材を制作会社に頼まず、社内で話を聞いてまとめる方法もあります。進め方は採用ページの社員インタビューの作り方で紹介しています。
3. 写真の撮影
現場のある会社では、作業の様子、使っている車両や設備、休憩室や更衣室など、写真が多くのことを伝えてくれます。撮影を頼む場合は、カメラマンの費用と、撮影の日の段取りの手間がかかります。撮影の日数、撮る場所の数、人物を撮るかどうかで金額が変わります。
4. 文章(原稿)
仕事内容、一日の流れ、覚えていく流れ、社長メッセージなど、採用サイトには文章が多く入ります。会社で原稿を用意するのか、話を聞いて制作会社が書くのかで、費用が大きく変わります。文章を書く作業は、見積りでは「原稿作成」「ライティング」と書かれることが多いです。
5. デザイン
決まった型(テンプレート)に文章と写真を入れるのか、会社の雰囲気に合わせて見た目を一から作るのかで、費用が変わります。トップページは作り込み、ほかのページは共通の形で作る、という分け方もよくあります。
6. 応募フォームと応募の管理
応募フォームは、名前や連絡先、希望の職種を送ってもらう入口です。項目が少ない問い合わせフォームと同じ形なら、作業は多くありません。一方で、履歴書のファイルを受け付ける、応募者を一覧で管理する、面接の日程を調整する、といった仕組みまで入れると、作業も月々の費用も増えます。こうした機能は、採用管理のサービスとつなげて使うことが多く、その場合は別に利用料がかかります。
応募の数が月に数件ほどなら、まずはシンプルなフォームとメールでの受け取りで十分なことが多いです。応募が増えて管理が追いつかなくなってから、仕組みを足しても遅くありません。応募フォームの項目は、名前・連絡先・希望の職種など、最低限にしておくと、途中でやめられにくくなります。
7. 動画
現場の一日を短い動画で見せると、写真よりも雰囲気が伝わります。ただ、撮影と編集には時間がかかるため、費用は大きくなりやすい部分です。プロに頼む場合は、撮影の日数や編集の長さで金額が変わります。最初は動画なしで公開し、あとから足すこともできます。社内でスマホで撮った短い動画を載せる方法もあります。
8. 更新の仕組み
募集要項や先輩の声は、時間がたつと古くなります。社内で文章や写真を差し替えられる仕組み(お知らせや募集要項を管理画面から書きかえられる仕組み)を入れると、その分の作業が増えます。反対に、更新を制作会社に任せる前提なら、仕組みはシンプルにできます。誰が、どのくらいの頻度で更新するかを先に決めておくと、必要な仕組みが決まります。
作り方ごとの費用の考え方
採用の情報をネットに載せる方法は、大きく4つに分けられます。費用のかかり方がそれぞれ違います。
| 作り方 | 費用のかかり方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 会社のホームページに採用ページを足す | 足すページ数と、取材・撮影の量で決まる。月々の費用は今のホームページとほぼ同じ | 職種が少ない、まず小さく始めたい |
| 採用サイトを別に作る | ページ数が多くなりやすく、制作費が大きくなる。別のドメインやサーバーを使うなら、その分の費用も増える | 職種や読む人が多い、伝えたいことが多い |
| 求人サイトの企業ページ | 掲載の期間やプランごとの料金がかかることが多い。掲載をやめると見られなくなる | まず多くの人の目にとまりたい |
| 採用サイト作成サービス | 初期費用が低めで、月額の利用料がかかるものが多い | 早く公開したい、型どおりの形で十分 |
会社のホームページに採用ページを足す
すでに会社のホームページがあるなら、一番始めやすい方法です。ドメインやサーバーは今のものをそのまま使えるため、月々の費用はほとんど増えません。費用は、足すページ数と、取材や撮影をどこまで頼むかで決まります。会社のサイトが古くて採用ページだけ浮いてしまう場合は、全体の見直しと合わせて考えることもあります。
採用サイトを別に作る
伝えたいことが多い会社に向いていますが、ページ数が増える分、制作費は大きくなります。会社のホームページとは別のアドレスにする場合は、ドメインやサーバーの費用、それぞれのサイトを管理する手間も増えます。会社のサイトのアドレスの中に採用の項目を作り、見た目だけを採用向けに変える、という方法もあります。
求人サイトの企業ページ
求人サイトの中に会社の紹介ページを持つ方法です。多くの人の目にとまるのが強みですが、載せられる項目や形は決まっています。掲載をやめるとページも見られなくなることが多く、会社の手元に情報が残りません。求人サイトは「見つけてもらう場所」、自社の採用ページは「確かめてもらう場所」と分けて考えるのが基本です。
採用サイト作成サービス
決まった型に文章や写真を入れていくサービスです。初期費用が低めで、早く公開できるのが良いところです。一方で、月額の利用料が続き、見た目や載せ方の自由はかぎられます。解約したときにページを持ち出せるか、アドレスを引き継げるかは、サービスごとに違うので、申し込む前に確かめておきましょう。月々の利用料を数年分足すと、制作会社に頼んだ場合と大きく変わらないこともあるので、長く使う前提で比べてみましょう。
1ページの採用LPという選び方
職種が1つで、まず応募を集めたい場合は、1ページで完結する採用ページ(LP)を作る方法もあります。仕事内容から条件、先輩の声、応募までを1ページにまとめ、求人広告やSNSからそのページへ案内します。LPの考え方はLP(ランディングページ)とは?で紹介しています。
毎月・毎年かかる費用
制作費とは別に、採用サイトを持ち続けるための費用がかかります。見積りを比べるときは、作るときの費用だけでなく、数年間でいくらかかるかを見ておくと安心です。
- ドメインとサーバーの費用:会社のホームページの中に採用ページを作るなら、ほとんど増えません。別のアドレスで採用サイトを作るなら、その分が加わります。
- 作成サービスの利用料:作成サービスを使う場合は、月額や年額の利用料がかかります。
- 採用管理のサービスの利用料:応募者の管理や日程調整の仕組みを使う場合にかかります。
- 更新を任せる費用:募集要項の差し替えや、先輩の声の追加を制作会社に頼む場合の費用です。月額で任せるか、そのつど頼むかで変わります。
- 写真や記事の追加の費用:毎年、新しい社員の声を足す、写真を撮り直す、といった場合にかかります。
たとえば、作るときの費用が安くても、月々の利用料や更新の費用が続けば、3年、5年でみると差が縮まることがあります。反対に、作るときに費用をかけても、社内で更新できる形にしておけば、月々の費用はおさえられます。作るときと持ち続けるときの費用を合わせて比べるのが基本です。
求人広告費との関係
採用サイトの費用を考えるときは、求人広告にかけている費用と並べて見ると判断しやすくなります。
求人広告は、掲載している間、多くの人の目にとまります。その一方で、掲載を続けるかぎり費用がかかり、やめれば見られなくなります。採用サイトは、作るときにまとまった費用がかかりますが、自社で持ち続けるかぎり残ります。どちらが良い悪いではなく、役割が違います。
- 求人広告:会社を知らない人に、見つけてもらう
- 採用サイト・採用ページ:見つけた人に、くわしく知ってもらい、応募を決めてもらう
求人広告を出しているのに応募が少ない場合、広告を見た人が会社のホームページを確かめ、働く様子が分からずにやめている、ということがあります。そのときは、広告の量を増やすより先に、確かめに来た人が読む採用ページを整えるほうが、広告費を生かせることがあります。反対に、採用ページを作っても見つけてもらう入口がなければ、読まれません。求人広告やハローワークの求人票に、採用ページのアドレスを載せて、両方をつなげることが大切です。
応募が来ない理由の見直し方は、求人を出しても応募が来ない中小企業へでまとめています。
予算の決め方
「いくらかければいいのか」は、採用サイト単体ではなく、採用全体の費用の中で考えると決めやすくなります。
- 今の採用にかかっている費用を書き出す:求人広告、紹介会社への手数料、ハローワークや学校への案内にかかる手間など、1年でいくら使っているかをまとめます。
- 採れなかったときの困りごとを考える:人が足りずに受けられなかった仕事、残業の増加、今いる社員の負担など、採れないことで起きていることを考えます。
- 何年使うつもりかを決める:採用サイトは、一度作れば数年使うものです。制作費を使う年数で割り、毎年の求人広告費と並べて見ると、かけてよい金額の目安が見えてきます。
- 最初に作る範囲と、後から足す範囲を分ける:予算が限られているなら、中身の核になるページを先に作り、残りは翌年に足す、という分け方もできます。
大切なのは、採用サイトの費用を「採用にかかる費用の一部」として見ることです。求人広告だけに費用をかけ続けるより、確かめに来た人を応募につなげる受け皿を持つほうが、同じ広告費でも応募の数が変わることがあります。
費用を抑えるコツ
- 最初は少ないページで始める:仕事内容、一日の流れ、先輩の声、募集要項、応募の方法がそろえば、まずは公開できます。足りないページは、反応を見ながら足していきます。
- 社内で用意できる材料を集めておく:会社の数字(社員数、平均年齢、休日の数など)、募集要項、今ある写真をまとめておくと、制作会社の作業が減ります。
- 取材する人数をしぼる:先輩の声は、最初は2〜3人からでも十分伝わります。職種ごとに1人ずつ、のように決めるとまとまります。
- 写真は社内で撮れるものと分ける:作業の様子や職場の写真は、明るい場所でスマホで撮っても伝わります。トップの写真など、目立つところだけ撮影を頼む方法もあります。
- 機能は本当に使うものだけ入れる:応募管理や動画は、必要になってから足しても間に合います。
- 会社のホームページの中に作る:別のサイトにしなければ、ドメインやサーバーの費用、管理の手間が増えません。
ただし、削りすぎて中身が薄くなると、作っても応募につながりません。削るのは「見た目の凝り具合」や「後からでも足せる機能」にし、仕事内容や働く人の様子といった中身は残すのが基本です。
助成金や補助金は使えるか
採用サイトの制作に補助金を使えないか、という相談もあります。国や自治体の補助金には、ホームページの制作費を対象に含むものがありますが、制度ごとに目的と対象になる経費が決まっています。販路を広げるための制度では、求人のための広告などは対象外とされていることがあり、採用だけを目的にした制作が対象になるかは、制度ごとの公募要領で確かめる必要があります。
この記事を書いた時点では、採用サイトの制作費そのものを対象にした国の制度を、公式の情報で確かめることはできませんでした。都道府県や市区町村が独自に支援している場合もあるので、使いたいときは、地域の商工会・商工会議所や自治体の窓口に、申し込む前に相談してください。ホームページに関わる補助金の考え方は、ホームページ制作に使える補助金でまとめています。
よく作るページと、費用への影響
採用サイトによく入るページを、作るときの手間の大きさと合わせてまとめます。どこから作るかを決めるときの目安にしてください。
| ページ | 中身 | 手間が増えるところ |
|---|---|---|
| トップ | 会社の雰囲気と、採用で伝えたいことをひと目で見せる | 写真選びとデザイン |
| 仕事内容・一日の流れ | 職種ごとの作業、時間ごとの流れ | 現場への聞き取りと文章 |
| 先輩の声 | 入社のきっかけ、やりがい、大変なこと | 取材と文章、本人の確認 |
| 覚えていく流れ・キャリアの例 | 入社後の教え方、資格、任される仕事の変化 | 社内の仕組みの整理 |
| 数字で見る会社 | 社員数、平均年齢、休日の数など | 数字を集めて確かめる作業 |
| 社長メッセージ | どんな人と働きたいか | 社長への聞き取り |
| 募集要項 | 職種ごとの条件 | 法律で決められた項目の確認 |
| よくある質問・応募 | 面接でよく聞かれることへの答えと、応募の入口 | フォームの組み立て |
手間がかかるのは、たいてい「聞き取り」と「文章」です。反対に、数字や募集要項は、社内で材料がそろっていれば作業は多くありません。最初はトップ、仕事内容、先輩の声、募集要項、応募の5つで始め、ほかは後から足すと、費用をおさえつつ中身のあるページにできます。募集要項に載せる項目は、採用ページで応募が増える書き方で紹介しています。
頼む前に社内で用意しておくもの
制作会社に相談する前に、次のものをそろえておくと、見積りが正確になり、作業も早く進みます。社内で用意できるものが多いほど、費用もおさえやすくなります。
- 採りたい人の姿:職種、人数、経験の有無、いつまでに採りたいか。
- 今の募集要項:求人票に出している内容。条件が職種ごとに違えば、それぞれ。
- 会社の数字:社員数、平均年齢、年間の休日数、平均の勤続年数など、出せるもの。
- 今ある写真:現場、車両、設備、行事など。古くても、どんな写真があるかを伝えると、撮影の範囲を決めやすくなります。
- 話を聞ける社員:インタビューに協力してくれそうな人と、その人の予定。
- 今の応募の状況:どこから、月に何件くらい応募があるか。応募がない理由に心当たりがあれば、それも。
- 予算と公開したい時期:だいたいでかまいません。予算を伝えると、その中でできる組み立てを提案してもらいやすくなります。
「何を載せたらいいか分からない」という段階でも、相談はできます。ただ、採りたい人の姿だけは、社内で話し合って決めておくと、話が早く進みます。
自分で作るか、頼むか
作成サービスを使えば、社内で採用ページを作ることもできます。費用だけを見ると一番安く見えますが、構成を考え、文章を書き、写真を選び、スマホでの見え方を確かめる時間は、社内の誰かが使うことになります。現場の仕事と両立しながら進めると、公開までに思った以上に時間がかかることもあります。
社内に文章を書くのが得意な人がいて、載せる材料がそろっているなら、自分で作るのも一つの方法です。反対に、何を書けば応募につながるか分からない、取材や撮影まで手が回らない、という場合は、その部分だけでも頼むと、仕上がりと時間の両方で差が出ます。
よくあるのは、次のような分け方です。
- 社内でやる:採りたい人の姿を決める、会社の数字や募集要項をまとめる、ふだんの職場の写真を撮る、話を聞ける社員を選ぶ。
- 頼む:ページの組み立て、社員への取材と文章づくり、トップなど目立つところの写真、スマホでの見え方の調整、応募フォームの設定。
社内のことを一番よく知っているのは会社の人です。材料を集めるところを社内で受け持ち、それを求職者に伝わる形にまとめるところを頼むと、費用をおさえながら中身の濃い採用ページにしやすくなります。
業種ごとに費用がかかりやすいところ
同じ採用サイトでも、業種によって求職者が知りたいことが違い、作業が増えるところも変わります。
- 製造業:「どんなものを作っているのか」「どんな作業をするのか」が分かりにくい仕事です。工場の中の写真や、作業の流れを説明する文章に手間がかかります。撮影できない場所がある場合は、撮れる範囲と見せ方を先に決めておくと、撮影の日がむだになりません。
- 建設業:現場が日によって変わるため、撮影の日程を合わせるのが難しいことがあります。手がけた建物や工事の写真を社内でためておくと、撮影の費用をおさえられます。資格を取っていく道筋を書くページも、読まれやすい部分です。
- 運送業:車両の種類、コースの例、休みの取り方など、ドライバーが知りたい条件が多く、募集要項や一日の流れのページが長くなりがちです。荷主向けの情報と採用の情報を一つのサイトにまとめるか、分けるかも、費用に関わります。
どの業種でも、求職者が一番知りたいのは「自分にできそうか」「続けられそうか」です。費用をかけるなら、見た目よりも、この問いに答える写真と文章に使うのがおすすめです。写真が少ない会社ほど、撮影の費用の割合が大きくなります。ふだんから現場の写真を撮りためておくことも、費用をおさえる準備になります。
見積りで確かめること
採用サイトの見積りは、「一式」とまとめて書かれていると、何にいくらかかっているのかが分かりません。複数の会社の見積りを比べるときも、中身がそろっていないと金額だけでは比べられません。次の点を確かめておきましょう。
| 確かめること | 聞いておきたい中身 |
|---|---|
| ページ数と中身 | 何ページで、それぞれのページに何を載せるのか |
| 取材 | 何人に話を聞くのか。誰が質問を考え、誰が文章にまとめるのか |
| 撮影 | 撮影は含まれるか。何日、何か所か。写真を会社でほかに使ってよいか |
| 文章 | 原稿は会社が用意するのか、制作会社が書くのか |
| 直しの回数 | デザインや文章の直しは何回まで含まれるか |
| 応募フォーム | 応募はどこに届くか。履歴書のファイルの受け付けや、応募の管理は含まれるか |
| スマホ対応 | スマホで見たときの形まで含まれているか |
| 名義 | ドメインとサーバーは誰の名義になるか |
| 公開後 | 更新は自分でできるか。頼む場合はいくらか。月々の費用はいくらか |
とくに名義は大切です。ドメインやサーバーが制作会社の名義になっていると、契約をやめたときに採用サイトやアドレスを引き継げないことがあります。見積りの見方はホームページの見積りの見方でくわしく紹介しています。
依頼から公開までの期間
採用サイトの期間は、ページ数と、原稿や写真の用意の仕方で変わります。取材や撮影がある場合は、社員の予定や現場の都合を合わせる時間もかかります。新年度の採用や、求人広告を出す時期に合わせたい場合は、公開したい日から逆算して、早めに相談を始めるのがおすすめです。
マツケンスタジオの場合、1ページのLPなら数週間〜1か月ほど、会社のホームページなら1〜3か月ほどが目安です。原稿や写真がそろうのを待つ時間が、期間を左右することが多いです。
マツケンスタジオの場合の費用の目安
制作会社によって金額の決め方は違いますが、ページ数ごとの考え方の例として、マツケンスタジオの目安を紹介します。
| ページ数 | 費用の目安 | 採用での使い方の例 |
|---|---|---|
| 1ページ(LP) | 15万円〜 | 職種を1つにしぼった採用ページ |
| 2〜5ページ | 30万円〜 | 仕事内容・先輩の声・募集要項などを分けた採用ページ |
| 6〜20ページ | 60万円〜 | 職種ごとのページを持つ採用サイト、または会社のホームページ全体 |
| 21ページ以上 | お見積り | 内容に合わせてご相談 |
採用に困っている会社のために、会社のサイト全体より先に、採用ページだけを作ることもできます。ドメインとサーバーはお客様の名義のまま進め、最初の相談から公開後まで同じ担当が受け持ちます。公開後の更新や改善も続けられ、社内で更新するのが難しい場合は、月額サポートで代わりに更新することもできます。
作ったあと、応募につなげる運用
採用サイトは、公開しただけでは応募は増えません。見てもらう入口をつくり、反応を見て書き足していくことで、応募につながるページに育っていきます。
見てもらう入口をつくる
- 求人票にアドレスを載せる:ハローワークや求人サイトの求人票に、採用ページのアドレスを書き、「くわしい仕事の様子はこちら」と案内します。
- 会社案内や名刺にQRコードを入れる:学校訪問や説明会、社員の紹介の場面で、その場で見てもらえます。
- SNSで現場の様子を見せる:日々の様子を発信し、くわしくは採用ページへ案内します。
- Googleの検索に求人を出す:Google検索には、求人情報をまとめて表示する機能があり、日本も対象の地域に入っています。採用ページに決まった形式の情報(構造化データ)を書き込むと、表示の対象になります。募集を終えた求人は、ページを消すか、その情報を外すことが求められています。
反応を見て、書き足す
- 応募した人に聞く:面接で「どこで会社を知りましたか」「採用ページのどこを読みましたか」と聞くと、役に立った情報と足りない情報が分かります。
- よく聞かれることを足す:面接や電話で何度も聞かれることは、採用ページの答えが足りない部分です。よくある質問に加えていきます。
- 情報を新しく保つ:募集を終えた職種、変わった条件、辞めた社員の声が残っていないか、募集を出すたびに確かめます。
- 見られているかを確かめる:アクセスの数を見て、見られていなければ入口を見直し、見られているのに応募がなければ中身や応募の方法を見直します。
運用の手間まで考えて作り方を選ぶと、公開したあとに困りません。更新する人がいないなら、更新を任せられる形にしておくことも、費用の考え方の一つです。
費用をかけたのに応募が増えない、よくある例
- 見た目に費用をかけ、中身が薄い:きれいなデザインでも、仕事内容や条件が分からなければ、応募の決め手になりません。
- 公開したまま放っておく:古い募集要項が残っていると、応募する人が迷い、会社への信頼も下がります。
- 入口がない:求人票やSNSから案内していないと、採用サイトがあること自体が知られません。
- 応募の方法が分かりにくい:応募のボタンがページの最後にしかない、フォームの項目が多すぎる、といった形では、途中でやめられてしまいます。
- 応募への返事が遅い:せっかく応募が来ても、連絡が遅いと、ほかの会社に決まってしまうことがあります。
まとめ
採用サイト・採用ページの費用は、ページ数、取材と撮影、文章、デザイン、応募の仕組み、動画、更新の仕組みの組み合わせで決まります。現場のある中小企業では、まず会社のホームページの中に採用ページをしっかり作り、反応を見ながらページを足していく進め方が始めやすい方法です。見積りは「一式」のままにせず、何が含まれているかと、ドメインとサーバーの名義、公開後の費用まで確かめましょう。求人広告で見つけてもらい、採用ページで確かめてもらう流れをつくり、公開したあとも書き足していくことで、かけた費用が応募につながっていきます。
よくある質問
職種が少なく、毎年の採用が数人ほどなら、会社のホームページの中に採用ページを作るところから始めるのがおすすめです。職種や読む人が多く、伝えたいことが1ページに収まらない場合は、採用サイトを考えます。
できます。マツケンスタジオでは、採用に困っている会社のために、会社のサイト全体より先に採用ページだけを作ることもできます。あとからページを足していくこともできます。
解説記事では、1ページの採用ページで十数万円〜50万円ほど、数ページ〜十数ページの採用サイトで50万円〜150万円ほどと紹介されていることが多く見られます。ただ、取材や撮影、文章をどこまで頼むかで大きく変わるため、中身をそろえて見積りを比べることが大切です。
会社のホームページの中に作るなら、ドメインとサーバーの費用はほとんど増えません。作成サービスや採用管理のサービスを使う場合はその利用料、更新を任せる場合はその費用がかかります。
役割が違うので、まずは両方をつなげるのがおすすめです。求人広告で見つけてもらい、採用ページで働く様子を確かめてもらう流れをつくると、応募につながりやすくなります。
制度ごとに目的と対象の経費が決まっており、採用だけを目的にした制作が対象になるかは公募要領で確かめる必要があります。使いたい場合は、申し込む前に地域の商工会・商工会議所や自治体の窓口に相談してください。
「何から始めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。町工場発のマツケンスタジオが、ドメインの取得から公開後の更新まで、まるごとお手伝いします。いまは毎月3社まで、特別な価格で制作する「事例づくりモニター」も受け付けています。