ホームページの制作会社を乗り換える手順|管理会社を変更するときの注意点
公開日 / 更新日 | マツケンスタジオ 責任者
- 乗り換えの前に確かめる、契約・名義・権利・データ
- 制作会社を乗り換える6つの手順と、引き継ぐもののリスト
- よくあるトラブルと、次の会社を選ぶ前の準備
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「修正を頼んでも、なかなか対応してもらえない」「毎月の管理費が、何に使われているのか分からない」「担当の人と連絡がつかなくなった」。こうしたことが重なると、制作会社や管理会社を変えたくなります。
乗り換えは、手順さえ間違えなければ難しくありません。ただ、順番を間違えると、ホームページが見られなくなったり、メールが届かなくなったりします。また、契約の中身によっては、やめるときに費用がかかったり、今のホームページをそのまま使えなかったりすることもあります。この記事では、乗り換えの前に確かめることと、安全に進める手順、よくあるトラブルの避け方を紹介します。
乗り換えを考える、よくあるきっかけ
- 修正や更新を頼んでも、返事や対応が遅い
- 小さな修正にも、そのたびに費用がかかる
- 月額の管理費に、何が含まれているのか分からない
- 担当者が変わり、会社のことを分かってもらえなくなった
- 制作会社と連絡がつかない、または廃業した
- 作り直したいが、今の会社の提案が合わない
当てはまるものがあれば、乗り換えを考えてよい時期です。ただ、その前に、今の会社に困っていることをはっきり伝えると、対応が変わることもあります。管理費の中身が分からない場合は、まず内訳を出してもらいましょう。管理費の考え方は、ホームページの維持費・管理費の相場で紹介しています。
「管理だけ変える」と「作り直す」の2つがある
乗り換えには、2つの形があります。
| 形 | 内容 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 管理だけ変える | 今のホームページはそのまま、更新や保守を別の会社に任せる | サイトの内容には満足している |
| 作り直して変える | 新しい会社でホームページを作り直し、切り替える | 内容や見た目も古くなっている |
管理だけを変える場合は、今のサイトのデータと、管理画面に入るための情報を受け取れるかどうかが決め手になります。さらに、そのデータを新しい会社が手直ししてよいかという「権利」の問題もあります。受け取れない場合や、サイトが古くなっている場合は、作り直しを選ぶことになります。作り直すかどうかの目安は、ホームページのリニューアルを考えたい6つのサインで紹介しています。
先に確かめる、3つのこと
1. 契約の内容
契約書や申込書で、次のことを確かめます。
- 最低契約期間と、今がその何年目か
- やめるときは、何か月前までに伝える必要があるか
- 途中でやめる場合の費用
- リースや分割払いの契約になっていないか
- ホームページの権利(著作権)がどちらにあるか
2. ドメインとサーバーの名義
一番大事なのが、ドメイン(ホームページのアドレス)が誰の名義かです。自社の名義なら、そのまま新しい会社に引き継げます。制作会社の名義になっている場合は、名義を自社に移す手続きが必要です。応じてもらえるか、費用がかかるかを確かめます。仕組みは、ドメインとサーバーとは?で紹介しています。
3. サイトのデータを受け取れるか
ホームページの文章、写真、デザインのデータを受け取れるかは、契約によって違います。月額制のサービスでは、受け取れないこともあります。自社で用意した文章と写真は、手元にも残しておきましょう。
ホームページの権利は、誰にあるか
見落としやすいのが、ホームページの著作権です。お金を払って作ってもらったものでも、権利まで自社のものになるとは限りません。
契約で決めていなければ、作った側に残る
著作権法では、著作権は作品を作った人(著作者)が持つものとされています。ホームページのデザインやプログラム、制作会社が書いた文章や撮った写真も、契約で特に決めていなければ、権利は作った側、つまり制作会社やその依頼を受けた人に残ります。制作費を払ったことと、権利が移ることは、別の話です。
「譲る」と書いてあっても、確かめたい点がある
契約書に「著作権を譲渡する」と書いてあっても、作り変える権利(著作権法の第27条・第28条の権利)がはっきり書かれていない場合は、作った側に残ったものと推定される決まりがあります。また、作った人の名前を出す・勝手に変えさせないといった権利(著作者人格権)は、そもそも人に譲ることができません。そのため、契約で「この権利を使わない」と取り決めておくことがあります。
契約書で見るところ
- 「著作権」「知的財産権」「権利の帰属」といった言葉が出てくる条文
- 権利が移る時期(納品のときか、支払いが終わったときか)
- 「第27条及び第28条の権利を含む」と書いてあるか
- 著作者人格権を行使しない、という取り決めがあるか
- 制作会社が用意した写真やイラスト、素材の扱い
権利が制作会社に残っている場合でも、今のサイトを使い続けることまで禁じられているとは限りません。ただ、新しい会社が手直しすることや、デザインを流用することには、今の会社の了解が必要になることがあります。分からないときは、今の会社に「乗り換えたあと、今のデータを手直しして使ってよいか」を書面で確かめておきましょう。
なお、有料の写真素材やフォントは、利用の許可(ライセンス)が制作会社の名義になっていることがあります。その場合、乗り換えたあとは同じ素材を使い続けられないこともあるので、あわせて確かめます。
解約の時期と、途中でやめるときの費用
乗り換えでかかる費用は、新しい会社に払う分だけではありません。今の契約をやめるときにも、費用がかかることがあります。
| 確かめること | よくある決め方の例 |
|---|---|
| 最低契約期間 | 1年、3年、5年など。期間の途中でやめると費用がかかる |
| 自動更新 | 期間が終わると、同じ条件で自動で延びる |
| 解約の申し出 | 「1か月前まで」「3か月前まで」に書面で伝える |
| 途中でやめるときの費用 | 残りの月数分の料金を払う、決まった額の違約金を払う |
| データやドメインの引き渡し | 無料、有料、引き渡しはしない、のいずれか |
中でも気をつけたいのが、自動更新です。契約が自動で延びる決まりになっていると、更新の時期を過ぎてから伝えても、次の期間の料金がかかることがあります。契約書で、今の期間がいつ終わるのか、いつまでに伝えればよいのかを、日付で書き出しておきましょう。
リースや分割払いの契約の場合は、制作会社とは別に、リース会社や信販会社との契約になっていることがあります。制作会社との関係をやめても、残りの支払いが続くことがあるので、契約書の相手先を確かめてください。会社として結んだ契約は、原則としてクーリング・オフの対象になりません。
途中でやめる費用が大きい場合は、契約の終わりまで待ち、その間に新しいホームページの準備を進めるのも一つの方法です。マツケンスタジオの場合、会社のホームページの作り直しには1〜3か月ほどかかります。終わりの時期から逆算して動き始めると、二重の支払いを短くできます。
乗り換えの6つの手順
1. 契約書を確かめる
前の章の内容を、書類で確かめます。契約書が見つからない場合は、今の会社に問い合わせます。
2. 名義と管理の権限を確かめる
ドメインとサーバーの契約先、名義、管理画面のIDとパスワードを確かめます。分からないものは、今の会社に聞いて書き出しておきます。
3. 引き継ぐものを集める
次の章の一覧をもとに、必要な情報とデータを集めます。
4. 新しい会社を決める
集めた情報を見せて相談すると、何をそのまま使えて、何を作り直す必要があるかが分かります。選ぶときの見方は、ホームページ制作会社の選び方を参考にしてください。
5. 切り替える
新しい会社のほうで準備が整ってから、ホームページとメールを切り替えます。
6. 前の契約をやめる
新しいほうでホームページとメールが問題なく動いているのを確かめてから、前の契約をやめます。この順番が、一番大事です。
引き継ぐもののリスト
新しい会社に渡す情報は、次のとおりです。全部がそろっていなくても相談はできますが、そろっているほど、引き継ぎは早く、安く進みます。
| 引き継ぐもの | 何に使うか |
|---|---|
| ドメインの契約先と、管理画面のID・パスワード | アドレスを使い続けるため |
| サーバーの契約先と、管理画面のID・パスワード | サイトのデータを確かめ、移すため |
| サーバーへファイルを送るための接続情報 | サイトのファイルを取り出し、置き直すため |
| ホームページのデータ(文章・写真・デザイン) | 内容を引き継ぐため |
| ロゴや写真の元のデータ | 作り直しや印刷物でも、きれいなまま使うため |
| 更新の仕組み(WordPressなど)のID・パスワード | 自分たちで更新を続けるため |
| メールアドレスの一覧と設定 | メールを止めないため |
| 問い合わせフォームの送り先と、自動返信の文面 | 問い合わせを取りこぼさないため |
| アクセス解析やGoogleビジネスプロフィールの権限 | これまでの記録と登録を引き継ぐため |
| ネット広告やSNSのアカウント | 広告の記録やフォロワーを引き継ぐため |
| 地図、予約、チャットなど、外から組み込んでいるサービスの契約 | 同じ機能を新しいサイトでも使うため |
| 契約書と、ここ1年ほどの請求書 | 今払っている費用と、やめるときの条件を新しい会社と確かめるため |
アクセス解析やGoogleビジネスプロフィールが、制作会社のアカウントで作られていることがあります。自社のアカウントに権限を移してもらいましょう。Googleビジネスプロフィールについては、Googleマップで選ばれる会社の共通点でも紹介しています。
IDとパスワードは、メールに書いて送り合うより、受け取ったあとすぐに自社で変更しておくと安心です。乗り換えが終わったら、前の会社が管理画面に入れる状態のままになっていないかも確かめます。
ホームページとメールを止めないために
乗り換えで一番多い困りごとは、メールが届かなくなることです。会社のメールアドレスが、ホームページと同じサーバーで動いていると、サーバーを移すときにメールも一緒に止まることがあります。
- 会社で使っているメールアドレスを、すべて書き出しておく
- メールがどのサーバーで動いているかを、新しい会社に確かめてもらう
- 切り替える日は、メールの少ない日や時間を選ぶ
- 前のサーバーは、切り替えのあともしばらく残しておく
また、アドレスが変わる場合は、古いページから新しいページへ案内する設定をしておくと、検索や名刺から来た人が迷いません。この作業は、ホームページのリニューアル費用の相場と内訳でも触れています。
乗り換えで、よくあるトラブル
乗り換えの相談を受けていると、似たような困りごとがくり返し出てきます。よくある例と、避け方をまとめます。
引き継ぎに、思っていなかった費用がかかる
データの書き出しや、ドメインの名義を移す作業に、費用を求められることがあります。契約書に引き渡しの決まりがない場合は、作業の手間として請求されることもあります。先に「何を、いくらで渡してもらえるか」を書面で出してもらい、新しい会社の見積りと合わせて総額で考えましょう。
データを渡してもらえない
「サイトは当社の仕組みで動いているので、データは渡せない」と言われることがあります。月額制のサービスや、その会社だけが使う更新の仕組みで作られている場合に多い例です。この場合は、文章と写真だけを手元に集め、新しいサイトで作り直すことになります。今のサイトの各ページを、印刷やPDFで残しておくと、作り直すときの材料になります。
引き継ぎの作業を断られる、返事が来ない
乗り換えを伝えたとたん、対応が遅くなることもあります。連絡はメールなど記録が残る形で行い、頼みたいことを一覧にして、いつまでにほしいかを書いて送りましょう。まとめて頼むほうが、相手も対応しやすくなります。
切り替えたあとに、表示されないページがある
古いサーバーで動いていた機能や、外から組み込んでいたサービスが、新しいサイトに移っていなかったという例です。切り替えの前に、今のサイトのページと機能を一覧にしておき、切り替えたあとに一つずつ確かめると防げます。
ドメインの更新が切れていた
ドメインの更新料を制作会社がまとめて払っていた場合、契約をやめたあとに更新の手続きが止まり、期限が切れることがあります。期限が切れると、ホームページもメールも使えなくなります。乗り換えの間は、ドメインの有効期限を必ず確かめておきましょう。
連絡がつかない、名義を移してもらえないとき
制作会社と連絡がつかない場合でも、ドメインが自社の名義で登録されていれば、ドメインを管理している事業者に相談して、手続きを進められることがあります。まず、ドメインがどこで、誰の名義で登録されているかを調べるところから始めます。
名義を移してもらえない場合は、新しいアドレスでホームページを作り、取引先やお客様に案内して切り替える方法もあります。手間はかかりますが、これを機に、ドメインとサーバーを自社の名義にしておけば、次からは困りません。
次の会社を選ぶ前に、準備しておくこと
同じ困りごとをくり返さないために、新しい会社を探す前に、次のことを整理しておきます。
- 今のサイトで困っていることを書き出す:「更新が遅い」「費用の中身が分からない」など。新しい会社に何を求めるかがはっきりします。
- ホームページで何をしたいかを決める:問い合わせを増やしたい、採用につなげたい、会社案内として整えたい、など。目的によって、管理だけ変えるか作り直すかも変わります。
- 今払っている費用を、年額で出す:管理費、ドメイン代、サーバー代などを足しておくと、新しい会社の見積りと比べやすくなります。見積りの見方は、ホームページの見積りの見方を参考にしてください。
- 契約で確かめたいことを、先にまとめておく:ドメインとサーバーの名義、権利の扱い、やめるときの条件とデータの渡し方。次の会社と契約する前に、この3つを必ず聞きましょう。
- 社内の窓口を一人決める:前の会社と新しい会社の両方とやり取りする人を決めておくと、話が食い違いにくくなります。
次の会社と結ぶ契約では、今回困った点が書面でどうなっているかを確かめます。特に、ドメインとサーバーを自社の名義で持てるか、やめるときにデータを渡してもらえるかは、次にまた乗り換えるときの手間を大きく左右します。
まとめ
制作会社の乗り換えは、契約の内容、ドメインとサーバーの名義、ホームページの権利、データを受け取れるかを確かめるところから始まります。解約の時期と途中でやめる費用を日付で書き出し、引き継ぐものをリストにして集めておけば、よくあるトラブルの多くは防げます。新しいほうでホームページとメールが動いているのを確かめてから、前の契約をやめる。この順番を守れば、止めずに切り替えられます。マツケンスタジオでは、ドメインもサーバーもお客様の名義のままで、引き継ぎからお手伝いしています。
よくある質問
ドメインが自社の名義であれば、変わりません。制作会社の名義になっている場合は、名義を移す手続きが必要です。移せない場合は、新しいアドレスで作り直すことになります。
サイトのデータと管理画面の情報を受け取れれば、できることが多いです。ただ、作りが古い場合や、前の会社だけが使える仕組みで作られている場合は、作り直したほうが早いこともあります。
契約で決めていなければ、デザインやプログラムの著作権は、作った制作会社の側に残るのが原則です。契約書の権利の帰属についての条文を確かめ、分からない場合は、乗り換えたあとに今のデータを手直しして使ってよいかを、今の会社に書面で確かめておきましょう。
ドメインを引き継げれば、同じメールアドレスを使えます。切り替えのときにメールが止まらないよう、使っているアドレスの一覧と、今の設定を先に確かめておきます。
契約書で、やめるときに何か月前までに伝える必要があるか、自動更新の時期はいつかを確かめてから決めます。新しい会社と進め方を決めたあとに伝えると、引き継ぎに必要なものを、もれなくお願いできます。
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